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心淵の鏡

作: 夏蝶

深い孤独と哀しみを覚え、
心の真実に近づいた時に開く部屋がある。

その薄暗い部屋にはたった1つの鏡。
その鏡には、私の顔を模した仮面を
被った人が映っている。

鏡に次々と映しだされていくのは
私の仮面をつけた人物による、
利己心と欺瞞に満ちた行い。

私が自分に抱くイメージとはかけ離れた
私とは思えない醜い在り方。

何の茶番だ。これは私ではない。
鏡から視線をそらそうとすると

『目をそらしていれば
幸せでいられるものね。』

鏡から声が聞こえた。どこか聞き覚えのある声。

『でも何を隠そうこれが
あなたのありのままの姿だよ。』

なんだって?
こんな醜い生き物、私であるはずがない。

私の仮面をつけ、愚かな真似をしているのは誰だ?
私はこんな醜い生き物じゃない。
苛立ちを覚えた私は鏡に拳を叩きつけた。

でも傷ついたのは私の体だけ。
『自分を嫌えば許されると思っているのかな。』

なぜかその言葉に痛みを覚えた。
だけど私は無視した。
こんなくだらないことに付き合う時間はない。

私は、誰かの声が聞こえる
別の部屋に行こうとした。

『誰かといさえすれば
忘れていられるものね。』

私は、何か楽そうなモノがありそうな
別の部屋に行こうとした。

『何かに夢中になれば
向き合わずに済むものね。』

ばかばかしい。
こんな現実離れした場所に意味なんてない。
元居た現実に戻らないと。

『そう。きみに都合よく切り取りとられた
≪現実≫という名のお花畑にね。』

なぜだ。耳をふさいでも
内側に響く声を聴かずにはいられない。

ふと、鏡に善意と優しさに満ちた私が映る。
間違いない。これが私の本当の姿なのだと
深い安堵を覚える。

『違う。あなたが本当に守りたかったのは
ほかの誰でもなくあなただけだよ。』

先ほどまで安らかな表情をした仮面が剥がれ落ち、
現れたのは悪魔のような表情をした私だった。

『あなたが誰もを欺いても、
わたしだけは知っている。』

やめろ…。やめてくれ…。
私の世界は軋み、
耳をつんざくような音を立て崩れ落ちてゆく。

『あなたが忘れても
わたしは決して忘れない。』

私はこんなはずじゃ…。

壊れゆく世界の中で

消え入りそうな声で

その≪声≫に対して私は問いかける。

「あんたはいったい誰なんだ…」

鏡に映った悪魔が
天使のような微笑みを向けて私に答えた。


『わたしはきみだよ。』

世界は暗転した。

※この詩(ポエム)"心淵の鏡"の著作権は夏蝶さんに属します。

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