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臆病少年とハッピーエンド

作: とうや

ねえ、こわいよ

誰だってそう
自分を 黒いカーテンで隠しているんだ
自分が見られないように
自分が見つからないように

時に 風の日はとてもこわい
窓がない部屋だから 何もかも持っていかれそうで
時に 居留守をしない日はない
カーテンから覗く瞳が 誰にも見られないように

僕だって同じ
この部屋には 誰も入ったことがないんだ
洒落込んだ家具なんて 一つもないんだ
カーテンの外側に お花を並べているのは
この部屋じゃ 日が差さなくて枯れてしまうから

ねえ、君は青空を見てきたの
教えてよ 太陽って丸いのかい
教えてよ 影ってついて来るんだろ

一緒には行けないよ
僕はこわいの
自分が照らされて見えるようになるのが
何一つ隠せなくなることが

ねえ、明日も来るの
いつ来ても 部屋には上げてやれないけど
いつ来ても 僕は顔を合わせないけど
いつ来ても カーテン越しの駆け引き


ああ、やめてよ
僕の花壇を踏み散らかさないで
ああ、もう
なんでカーテンを破こうとするの


ねえ、だいじょうぶだよ

全然だよ、こわいよ

ちがうよ、なにもこわくないんだよ

だめだよ、僕が見えちゃうよ

だいじょうぶよ

そんなわけないだろ、いやだ、見ないで、嫌わないで


久しぶりの太陽は とっても眩しくて
目が痛いくらいだよ
あれ、なんだろうこれ
眩しいところが、温かいよ

初めて見た君の顔
僕に引っ掻かれて 傷ついた頬
痣ができた手は 僕のそれと繋がっていて
それが本当に温かくて

君の笑顔が 僕のカーテンを破いてしまった
君の笑顔は 僕を泣かせてしまった

君は

強く手を握ってくれたよ

僕の涙を拭ってくれたよ

僕の手を引いてくれたよ

僕に「わらう」をくれたよ


僕は

眩しいのを嫌ったよ

嫌われたくなかったよ

だから窓にカーテンを掛けたよ

君に手を引かれたよ 窓から抜け出したよ

君に「なく」を取られちゃったよ 代わりに「わらう」をもらったよ

それでも泣いちゃったよ

それでも君についていったよ


やあ、今日も来たんだね
いつ来ても お茶は用意してあるよ
いつ来ても 僕は見とれちゃうけど
いつ来ても 愛らしい言葉で駆け引き

こわいことはあります
でも だいじょうぶって言ってくれます

聞きたいことがあるんだ

今度のカーテン
花瓶に合うよう 白にしようと思ってるんだ

※この詩(ポエム)"臆病少年とハッピーエンド"の著作権はとうやさんに属します。

作者 とうや さんのコメント

自分で書いてて、心にグサグサと刺さりました。

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この詩(ポエム)へのコメント (1件)

むー

'09年10月23日 20:24

この詩(ポエム)を評価しました:素敵

とうやさん
 こんばんは
臆病少年が臆病から明るい方へ向っていく様子がリアルにわかる
素敵な詩だと思いました。

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