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詩(ポエム)

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「初夏」

作: 半島@ひらきなおる

「初夏」

この初夏は翡翠の色どりを持って
農夫に圧搾される
その香油の匂いを辿り……

里山めがけて獣となりながら駆けていった昔
大きなクスノキの根っこを寝床にしながら
僕は遠くで鳴く鳶の声と将棋を打つ男たちの声を耳にした

ああ、原稿用紙が緑に翳る
庭に繁る楓のせいだ

客人
あなたはあなたの初夏を見ているのでしょうか
僕が僕の初夏を見ているように

あなたはもう家に戻んなさい
きっと執事が心配しています

僕は
このまま寝入るように
窓辺の空気で肺を満たします
閉じ込め
解放するのです
陽射しを味わうように

夕方になると土の匂いが林道に立ち上り
着物が少しはだけて汗の匂いと混じる
ふっと蝋燭の炎が消えるように陽が下りていく
ガラス細工の季節は巡る

※この詩(ポエム)"「初夏」"の著作権は半島@ひらきなおるさんに属します。

作者 半島@ひらきなおる さんのコメント

なんにも詩を載せないのはアレなので、名刺代わりに一編おいていきます。

初夏、炭酸の清涼飲料水がうまくなる時期ですな。
そのともすれば崩れてしまいそうな季節をなんとか詩にしようとがんばってみました。

この詩(ポエム)の評価
評価項目評価数
深い 1
合計 1
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この詩(ポエム)へのコメント (2件)

佐月亜沙子

'10年7月7日 00:50

この詩(ポエム)を評価しました:深い

半島さんへ
こんな素敵な詩に一番乗り。
またここに戻られてたのですね。気が付かなかった。

あなたにとって、初夏はガラス細工のきらめきのイメージなのかな。
または、すぐに移ろう壊れやすく儚いもの?
初夏をガラス細工と捉える見方、深いと思いました。

どの連にも、半島さんらしい凝った表現が散りばめられています。
初夏の香りがたちこめる穏やかな山里の雰囲気ですね。
雨上がりの土の香りや古い家屋が吐く、湿っぽい匂いまで漂ってきます。

どこも素敵だけど、とくに下が私のお気に入り。

>この初夏は翡翠の色どりを持って
農夫に圧搾される
その香油の匂いを辿り……

>ああ、原稿用紙が緑に翳る
庭に繁る楓のせいだ

深いとさせてもらいました。
佐月亜沙子

半島@ひらきなおる

'10年7月7日 11:37

佐月様、深いという評価……痛み入ります。この詩のネックは2連目と3連目の断絶にあります。いわゆるはぐらかし。これは西脇を意識した方法なのですが、別の人にはこの断絶が良くないと言われました。そして最終連がありきたりの抒情でくくられているとも。

僕は佐月さんという理解者に出会えたことを非常に嬉しく思います。これからもお互いの詩を切磋琢磨させていきましょう。

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